私は物心ついた頃から音楽が身近にある環境で育ちました。
母は合唱をしたり、昔の大きなステレオでLPレコードをたっぷりの音量でよく聴いていました。
父はアコーディオンやギター、ピアノを演奏して歌ってくれたり、合唱団の演奏会で指揮をする姿が印象的でした。
家には常に大勢の音楽仲間が集い、賑やかな中で自然に私の中にも音楽が宿ったような気がします。
サイトの表紙の写真は私の6才の誕生日に祖母がプレゼントしてくれたおもちゃのピアノです。今でもちゃんと鳴ります。
私が保育園のオルガンをいつも1人我流で弾き続けていたそうで、それで両親はピアノを習わせてあげようと考えたようです。
習う事をきっかけに、アポロのアップライトピアノを買ってくれた両親。
大きくてグランドピアノに負けないいい音が出ると言って、当時の我が家では清水寺の舞台から飛び降りる気持ちでの大奮発だったと思います。
それから、うん十年後に、私自身でグランドピアノをピアノ教室に購入した時、すべてはこの小さな祖母のくれたトイピアノから繋がっているんだと感じ、教室の壁に飾りました。
これまでの人生でいい時も辛い時も、寄り添ってくれたのは、やはり家族の存在と、自分の中で大切に育てて来た音楽への情熱だと思います。
時代はめぐり、出会いも別れも、戸惑うことも多い、昨今の世界的な変化。
これら全てを乗り越えるための勇気を与え、傷を癒やして、前を向かせてくれる一番強力な存在が、私にとっての音楽です。